Tue, 06/17/2008|思い出 涙の卒業式
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あれは中学の卒業式の前日だった。
ダチのマッシュくんが、卒業式で行われるプログラムが書かれたわら半紙を丸めて、紙の先っちょで自分の頭をゴシゴシと掻いていた。
マッシュくんは、松っつんというからマッシュくんというあだ名ではなかった。鼻がマシュマロみたいだったからマッシュくんと呼んでいたが、マッシュくんに「マッシュくん」というとマッシュくんは良からぬ顔をしていたので「松っつんやからマッシュくんって呼んでるんやで」と嘘の口実を作っていた。彼自身あまり気に入ってくれてなかったみたいだ。
マッシュくん、そのわら半紙を後ろにいた友達の鼻に目掛けて突き刺した。これには私も大笑い。だけど事件はそこから始まった。鼻を突かれた瞬間古屋は「なにすんねん!」と怒りながら、自分の突かれた鼻を腕でなすくったのだった。古屋はなすくった腕を臭った。そしたら小学校時代から仲の良かった古屋の怒りは納まるどころかどんどんエスカレートしていった。この俺の腕を臭ってみろ!と云わんばかりに自分の腕を捲り上げマッシュくんに指した。マッシュくんは首を傾げながら古屋の腕を臭った。そしたら今度はマッシュくんが大笑いしだした。訳が分からん俺が今度は首を傾げた。マッシュくんは古屋が怒ってる横で俺に「お前も臭ってみろ!」と涙ながらに言った。俺は古屋の腕に目を遣ると古屋は何故か俺にも怒って来て、お前も臭え!と云わんばかりに腕を差し出してきたので臭った。その臭いは紛れも無くマッシュくんが頭を掻いていたからフケの臭いだとばかり思っていたが、それは明らかにマッシュくんのアタマの臭いではなく、古屋自身の鼻糞の臭いだった。
そう古屋は自分の鼻糞の臭いを、マッシュくんのフケの臭いだと勘違いして怒っていたのである。
それ以来古屋とは連絡が途絶え、俺とマッシュくんは大笑いしながら涙の中、最後の卒業式の練習を終えた。
追伸、本番では泣かなかったが、予行練習であまりにも泣くもんだから先生は俺とマッシュくんに“お前ら、お前らにはこんなにも母校を愛する気持ちがあったのか!”と敬意を表してくれた。これぞまさに涙の卒業式である。
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